降り積もる雪
10年前の感動はもう無いが
やっぱり神秘的に映る
雪
今年も人が死ぬだろう
それでも白い雪
寒い夜にはコートに包まれて
変質者のフリをして街を闊歩
たまにニヤけるだけで
人がほら 振り返る
噂話に花を咲かせて
今日の自分の無事を確かめる
あいつはオカシイ
なんて身勝手な言葉だろう
人には言えない秘密を隠しながら
死んだら消滅
無責任で暗い影も無い
普通を気取って
鮮やかな目線で
冷たい心を内に秘める
奴隷を好み
言葉も分からない権力を振りかざす
隠れてなんかいないんだ
ただ
恐れて近づかないんだろ
自分を隠すので精一杯なんだろ
忍ばせた狂気を
全面に出しながら
隠せない笑顔で
憎しみを誘う
地図のように複雑で
迷路のように単純で
幸福のように明快で
妖精のように淫乱な
自分の回路をショートさせても
触れさせやしない
腐れかけのその歯茎の異臭が
鼻をつくんだ
声を上げても助けはいらない
小説だけで十分だ
満たす事のない
一人分の玄関には
真っ黒なバラの死体
球体に見えた
過去のアーティスト
東京の空で何を思う
信頼と裏切り
何て言葉じゃ理解できない
まだレベルが足りない
コンタクトが来て
返事を出した
薄暗い太陽の下
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